熱処理前の曲げ歪がMgB2素線の臨界電流に及ぼす影響

Influence of bending strain before heat treatment on critical current of MgB2


上林 昌弘, 水落 空, 神保 茉那, 桑原 優介, 高尾 智明, 谷貝 剛 (上智大); 新冨 孝和, 槇田 康博 (KEK); 濱島 高太郎 (東北大); 駒込 敏弘, 塚田 謙一 (前川); 平野 直樹 (中部電力); 富田 優, 恩地 太紀 (鉄道総研)


Abstract:MgB2超伝導線は、安価で液体水素下での運用が可能であるため、将来SMESコイルなどへの実用化が期待される。しかし、作成過程において線材に加わる曲げ歪の臨界電流への影響が懸念される。そこで本研究では、熱処理前にMgB2素線に曲げ歪を加え、冷凍機の29 K設定において臨界電流を測定し、劣化率を評価した。その結果、本研究における線材の作製方法では、素線に加わる歪が4%までにおいて大きな劣化は見られず、5%の歪を加えると著しい劣化がみられた。よって、素線に加わる歪が4%までであれば、大容量化に向け、コイルなどの実用化が期待される。