J-PARC大強度中性子源の液体水素循環システム用ヘリウム冷凍機の性能劣化
- 性能劣化に関わる概要 -

Performance degradation of helium refrigerator for liquid hydrogen circulation system of J-PARC high intensity neutron source
- Over view of performance degradation -


麻生 智一, 勅使河原 誠, 長谷川 勝一, 武藤 秀生, 青栁 克弘, 高田 弘, 池田 裕二郎 (原子力機構)


Abstract:J-PARCの大強度中性子源では、ターゲットで発生した速中性子を液体水素減速材で冷中性子に冷却するために、液体水素循環系(1.5MPa、18K)とヘリウム冷凍機(6kW at 17K、1.6MPa、270g/s)から成る2元冷凍システムを運転している。2008年の運転開始以来、冷中性子を利用者に供給するために約2-3ヶ月の連続運転を行ってきたが、2015年からヘリウム冷凍機内の熱交換器と内部吸着器(ADS)で運転中に圧力損失が増加し、冷凍機の冷却性能が低下して長期間の安定運転に支障を来す状態となった。本件は、この性能劣化についての経緯と、利用施設としての運転を継続しつつ実施した性能回復に向けた検討及び対応について報告し、以降に続く発表では原因究明及び対策について言及する。