回転ガントリー用高温超電導可変磁場マグネットの開発(1)
-プロジェクトの概要-

Overview of HTS magnet development for rotating gantry


田崎 賢司, 小柳 圭, 高山 茂貴, 石井 祐介, 来栖 努 (東芝); 雨宮 尚之 (京大); 荻津 透 (KEK)


Abstract:重粒子線によるがん治療は優れた治療効果を有する一方で、施設全体が大型であることが課題となっている。特に、任意の方向から重粒子線の照射を可能にする回転ガントリーは医療関係者のニーズが高いものの、筆者らの試算では重粒子線がん治療装置では装置重量が約600トンにもなり普及に至っていない。重粒子線回転ガントリーに高温超電導線材を用いて高磁場化を図ることができれば、陽子線回転ガントリー総重量と同程度の小型軽量化を実現することができる。現在進めているMETI国プロ「高温超電導コイル基盤技術開発プロジェクト」では、高温超電導線材を用いた回転ガントリー用偏向マグネットの設計検討を行うとともに、実機大の偏向マグネットの試作および評価を行う計画である。本発表では、このプロジェクトの開発概要について報告する。