A new method for joint of REBCO wires using a REBCO bulk
金 新哲, 柳澤 吉紀, 前田 秀明 (理研)
Abstract:NMRやMRIなどの永久電流モードの実現に向けて、REBCO線材の低抵抗接続に関する研究はすでに精力的になされている。しかし、従来の半田付けによる方法では10nΩ・cm前後の電気抵抗があり、実用ではさらにその数万分の一程度下げる必要がある。最近ではREBCO層同士を高温で融解して直接接続する溶融拡散法が報告されており、超伝導的な接続のトライ実験が始まっている。しかしこの方法ではREBCO層を融解から再結晶化させるので、臨界電流などの性能が元に回復するのはそれほど簡単ではない。そこで本研究は簡便かつ実用可能な超伝導接続を目的として、線材のREBCO層を融解させないことを前提でそれより低い融点を持つREBCOバルクを使用し、線材のREBCO融点以下の高温でバルクを溶融した後に固体のREBCO層から結晶成長させてバルクを線材に接続することで、バルクを介したREBCO線材同士の新たな超伝導接続方法を考え出した。実験では接続体が9日以下の短時間で作製でき、機械強度も実用に問題ない程度であった。本成果について理研はすでに特許出願済みである。本接続方法の原理と接続体の作製結果および評価結果について報告する予定である。