中性子回折を用いたITER CS導体試験サンプルの劣化位置の評価

Evaluation of degraded position in ITER CS conductor sample using neutron diffraction technique


辺見 努, ハルヨ ステファヌス, 布谷 嘉彦, 梶谷 秀樹, 小泉 徳潔, 相澤 一也 (原子力機構); 町屋 修太郎 (大同大); 長村 光造 (応用科学研)


Abstract:スイスのローザンヌ工科大学が所有するSULTAN試験装置を用いてITER CS導体の性能検証試験を実施した結果、繰り返し通電回数に比例して超伝導性能が線形に劣化することが確認された。ジャケットを取り外して撚線を観察した結果、高磁場部断面の電磁力が加わる側とは逆側の隙間が空く側で、Nb3Sn素線に座屈によると思われる大きな曲げが観察された。電磁力で押される側も低ピッチで曲げが生じている場合、大きなたわみでなくても、曲げ歪が大きい可能性がある。そこで、劣化原因の調査の一環として、大強度陽子加速器施設(J-PARC)に設置された工学材料回折装置を用いて、中性子回折による調査を実施した。その結果、観察結果と一致して電磁力で隙間が空く側のみに大きな曲げが観測された。